相続問題について
弁護士の櫻河内です。

6月21日に広島弁護士会主催の市民法律講座の講師を務めてきました。
講座のテーマは「相続に関する法務と税務」でした。
今回の講座では、「相続に関して、専門家に依頼すべき分岐点はどこか?」という点について、受講生の方々に意識してもらうことができるように、なるべく分かりやすく具体的にイメージできるように話をさせてもらいました。

今回は、その講義に関連して「相続全般」「遺言」「税務」について、「専門家に依頼すべき分岐点はどこか?」という点について、3回程度に分けてご紹介します。

今回は、相続全般についてです。
まず、相続の流れについてです。
相続の流れは、遺言があるか、ないかという点で大きく異なってきます。
1 遺言がない場合
被相続人の死亡の後、
(1)相続人の範囲の確定(誰が相続人かを確定すること)、
(2)法定相続分(法律によれば、どのような割合で相続することになるのか。)、
(3)相続財産の範囲の確定(相続の対象となる財産はどの範囲か)
を確定します。これらを、あらかじめしっかりと確定しておくことで、その後の遺産分割協議がスムーズに進めることができます。
相続人の範囲、相続財産の範囲などを確定した後、相続人全員による協議により遺産分割を行うことになります。遺産分割によって、各相続人が、具体的にどの相続財産をが取得することになるのかを確定することになるのです。

この場合の「専門家に依頼すべき分岐点」は、
①相続人が多数いるか、
②相続財産の範囲で争いがある財産があるか、
③相続人間の協議がまとまりそうか、
です。
①の場合、親族だけ相続人全員の調査を行うことは、非常に時間と手間がかかります。特に、今まで全く親交のない相続人がいた場合などは、戸籍を調べ、住所・本籍などを探していくしかありません。こうした手間と時間を考えると、専門家に依頼することも検討するのも一つの手段です。
②の場合、争いがある財産が相続財産に含まれるかを確定するには、ある程度法的判断が必要です。遺産分割の対象財産が定まらないと、その後、遺産分割協議を行うことが難しくなります。この点について、専門家に相談することを検討してください。専門家の見解を受けて、相続人全員の方々の納得が得られる場合も多くあります。
③の場合、親族だけの話し合いでは、相互の利害の対立が激しくなりがちで、話し合いが進展しない、まとまらないといったことがあります。
遺産分割協議をきっかけに、親族間の対立が激化し、話し合いなどが全くできない状態になることもあり、遺産分割後の親族関係にも大きな爪痕を残すことにもなります。相続が原因で親族関係がおかしくなることは絶対に避けなければなりません。
この場合、親族間での対立が決定的になる前に、是非、専門家への依頼を検討してください。専門家が間に入ることで、話がスムーズに行く場合もありますし、家庭裁判所の手続き(遺産分割調停など)を活用した方がいい場合もあります。
具体的な事情を専門家に相談することで、親族間での対立が決定的になることを防ぐことができる場合も多くあります。

2 遺言がある場合
 基本的は遺言に従って、相続が行われることになります。
 ただ、「遺言は、本当に被相続人が書いたのか。」「遺言で、誰か1人だけに相続させることになっていることは納得できない。」というような話もよく耳にします。
 遺言の成立や遺言内容に関して疑問に思った場合には、是非、専門家に相談してください。
 遺言の効力を争うのか、遺留分(遺言によっても侵すことができない固有の持分)減殺請求をするのか・・・・事案に応じて、「どのような手段をとることができるか。」「どのような手段をとった方がいいのか。」について、専門家の適切なアドバイスを受けることで、早期に解決できることが期待できます。

 当事務所では、相続に関する相談も承っています。相続にあたり疑問に思ったことなどについて、お気軽に相談して下さい。
ご相談内容を踏まえ、ご相談内容に応じた専門家と連携して、相続問題に取り組んでいきます。
次回は、遺言について書く予定にしています。

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